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Q1.自分で登記できますか?
Q2.監査役を廃止できますか?
Q3.取締役のなり手がいません。取締役一名だけの会社にできますか?
Q4.相続登記って絶対しなくてはならないの?
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Q1.自分で登記できますか?

A1.「出来る!」ものと「任せたほうがいい・・」ものとがあります。

無料登記相談に出ますと必ず訊かれる質問ですが、ケースバイケースです。

【不動産登記について】

 金融機関からの融資が伴わない場合で、時間と根気がある方でしたらご自分で出来るものも結構あります。
 抵当権や根抵当権の抹消登記や所有者(単独所有の場合)の住所の変更登記や贈与の登記などは、急がないのであればご自分で充分登記可能です。申請書の雛形は登記所に備え付けてありますし、民事局のホームページからダウンロードすることもできます。また、複雑ではない相続登記もチャレンジする価値が充分にあります。ただ、富山市の場合、空襲で戸籍が焼失してしまっており必要な戸籍がそろわないことも多く、このようなケースは司法書士に依頼したほうが無難でしょう。
 贈与や相続の登記を自分で行う場合は税金についても充分調べてください。登記だけ行って、確定申告の際に必要な手続をしなかったため、びっくりするような贈与税を支払うことになったり、すべき相続税の申告を しなかったりといったミスは後から「知らなかった」と言っても悲しいことに通用しません・・・・o(;△;)o。ご自分で不動産の所有権を動かす登記をする場合は、税金だけは本当に注意なさって下さい。


  金融機関からの融資が伴なう場合(住宅ローンや事業用資金の融資で不動産の担保を要するケース)、通常はご自分で登記することは困難です。といいますのも金融機関は登記に必要な書類がそろった事を確認し、司法書士に登記を依頼した時点で、登記が完了したものとして融資を実行するからです。つまり、登記完了前(すなわち無担保の状態)に先にお金を貸し出してしまいます。ですから金融機関にとっては、確実に目的の不動産を担保に入れた登記が完了されなければ、大変なことになってしまいます。このようなケースで、いくらご本人が頑張って勉強なさって、売買それに続く抵当権や根抵当権の設定の登記を完璧に申請ができたとしても、金融機関側としては、ご本人が登記することを前提に融資を実行するということは出来ません。登記職人(=司法書士)に依頼せざるを得ません。
 また、融資実行から登記完了までの無担保貸し出し中に、なんらかの事故が発生し、金融機関の目的どおりに不動産を担保にとることが出来なかった場合の責任は、融資に立会い登記を請け負った司法書士にあり、当該司法書士が当然責任をとります。富山県の司法書士は全員、このような事故に備えて、強制的に保険に加入しています。(もちろん、司法書士が関与した場合に、保険を使うような事故はまず有りませんが・・。) このような訳で「登記申請書が比較的簡単に作成できる登記」=「自分で出来る登記」にはならない事も、ままあります。「自分で出来る登記」か否かの判断は、金融機関が関わる登記か否か、時間に余裕があるか否か、失敗してもやり直しがきく登記か否か、そして何よりご自分が面白くやれるか否か、がポイントのなってくるのではないでしょうか。


【商業登記について】

 微妙です・・。と言いますのも平成18年5月1日に施行された会社法が未だ登記の現場に混乱をもたらしているからです。
 旧商法時代の「どうして役員全員だれも変わらないのに2年毎に役員変更の登記をしなくてはいけないの!?」というあの無駄な重任登記につきましてはご自分で出来ます!と断言していた私ですが(むしろ、こんな会社に無駄に負担を強いるような登記はやめたらいいのにと思っていました)、今は会社法施行後、最初の役員変更だけは一度司法書士に相談されたほうがいいと思います。そこで定款の見直しや会社の機関(取締役会や監査役などの組織)設計の見直し、ひいては役員の人数の見直し(代表者一人のみに変更する等)や任期の伸長(閉鎖会社においては最長10年まで伸長可能)などを行って、会社にもっとも適した体制に変更なさることをお勧めします。その一度で毎度の無駄な役員変更も必要最小限に抑えることができますし、2度目はご自分で出来ます!(10年の間にまた会社法が改正にならない限りは・・)
 さて、役員変更以外の登記については役員の住所変更登記などもご自分で出来ます。申請書の雛形は登記所に備え付けてありますし、民事局のホームページからダウンロードすることもできます。またガッツのある方で急いではいない場合は、商号変更(ただし、元々他社の使用している商号と同一のものを使用したり類似する商号を使用する場合は配慮が必要です。自己責任で節度をもってやって下さい)や同一管轄内の本店移転なども可能だと思います。
 株式の発行や有限会社から株式会社への変更、他管轄への本店移転、減資、譲渡制限の定めの設定などのレアなものは、それに傾けるガッツはもったいないかもしれません。ご自分で出来る・・とは思いますが、かなり疲れること請け合いです。このようなレア登記は司法書士に相談されたほうが無難だと思います。


Q2.監査役を廃止できますか?

A2.出来るようになりましたが、残念なことにかなり税金がかかります。

  平成18年5月1日に会社法が施行となり、従来の株式会社には必須であった監査役は「非公開会社」では 任意機関となりました。よって廃止することも可能となりました。
 さて、では「非公開会社」とはど ういった会社でしょうか。まずご自分の会社の全部事項証明書を取得してココをご確認下さい。「資本の額」の下 です。「株式の譲渡制限に関する規定」というのがありますか。
商業登記、譲渡制限これがある会社が「非公開会社」です。株式を公 開している上場会社や昭和20年代設立の一部の老舗会社を除いて、日本の株式会社の多くがこの規定を設定して いますので、見つかったのではないかと思います。これがない場合は、まず、この規定を設定し「非公開会社」に変更 することが必要です。
 この「株式の譲渡制限に関する規定」があった場合、次はその文言を確認して下さい。旧商法の定めでは一律で株式の譲渡に関する承認機関は「取締役会」に定められていましたので、「当会社の株式を譲渡するには取締役会の承認を要する」などと書かれていると思います。ここが「代表取締役」や「株主総会」に変更されている方は、既に監査役の廃止等の会社の機関の見直しを完了された方でしょう。
 さて、監査役とはそもそも「取締役会を監視・チェックする機関」という設定なので、取締役会があれば監査役は必ず置かなくてなりません。ここでもう一度、ご自分の会社の全部事項証明書の最後のほうを見てください。「取締役会設置会社に関する事項」及び「監査役設置会社に関する事項」というのがありますね。
商業登記、監査役設置会社これは、旧商法から会社法に移行と同時に法律で自動的になされてしまった登記なのです。つまり、あなたの会社は会社法の施行と同時に自動的に「取締役会」と「監査役」を設置した会社と登記されてしまっているのです。ですから、監査役を廃止するには、まず取締役会を廃止し、それから監査役を廃止し、そして先に確認した「株式の譲渡制限に関する規定」の文言中の「取締役会」の部分を変更しなくてはなりません(取締役会が無くなるので必然的に変更を要します)。加えて監査役を廃止するので現監査役は当然退任になるので監査役の退任の登記も必要となります。 以上をまとめますと次のようになります。

  • 取締役会設置会社の定めの廃止(登録免許税3万円)
  • 監査役設置会社の定めの廃止(登録免許税3万円)
  • 株式の譲渡制限に関する規定の変更(登録免許税2と同区分で0円)
  • 監査役の退任(登録免許税1万円/資本金1億円超の会社は3万円)

 結果これらの登記に必要な登録免許税は合計驚きの7万円!となります。
はっきり言って高すぎます。かなり引きます。個人的には法務省の商売ではないのかと疑っていますが、それはさておき。
 この登録免許税額をご説明しますと「そんなにかかるんならやめる」とおっしゃる方も多いです。それもアリかなと思います。社長様のご判断次第です。しかし、私が経営者であったならどうかなと考えたとき、今一度だけ会社の実態に即した機動性の高い会社に改造し、旧商法に縛られていた無駄を一気に解消したほうが10年スパンで考えるなら間違いなくコストダウンを図れ、お得だと思います。
 ただ「10年先のことなんてわからないよ」とおっしゃられますと「それもそうだなぁ〜自分だって10年後なんてどうなっているかわからないもの」と納得してしまうのですが・・・。



Q3.取締役のなり手がいません。取締役一名だけの会社にできますか?

A3.出来るようになりましたが、残念なことにかなり税金がかかります。

  平成18年5月1日に会社法が施行となり、従来の株式会社には最低3名必要であった取締役は「取締役会を設置しない会社」では最低一名以上置けば良いこととなりました。一方「取締役会設置会社」では従来どおり最低3名の取締役が必要です。
 さて、では「取締役会を設置しない会社」とはど ういった会社でしょうか。簡単に言うと、取締役会がない会社です。旧商法時代は株式会社には取締役会は必ず置かなくてはならないという規制がありましたが、新会社法では非公開会社では(「非公開会社」についてはこちらをご覧下さい。)取締役会は任意機関となり廃止することも可能になりました。
商業登記、取締役会設置会社 ご自分の会社に取締役会があるかどうかは会社の全部事項証明書を取得して最後のほうをご覧になるとわかります。「取締役会設置会社に関する事項」というのがあり、その横に「取締役会設置会社」と書いてあれば(但し、これらに下線が引いてあれば廃止済みです)お客様の会社は「取締役会設置会社」です。従って最低3名の取締役が必須となります。「こんなの登記した覚えないよ」と思われた方、その通りです。これは旧商法から会社法に移行と同時に法律で自動的になされてしまった登記なのです。つまり、あなたの会社は会社法の施行と同時に自動的に「取締役会」を設置した会社と登記されてしまっているのです。ですから、取締役を3名未満に変更するにはまずこの、まず取締役会を廃止し、それから取締役の退任の登記をしなくてはなりません。
 そして更に面倒なことに「株式の譲渡制限に関する規定」(「株式の譲渡制限に関する規定」についてはこちらをご覧下さい。)の文言中に株式の譲渡についての承認機関が取締役会であった場合、この「取締役会」の部分も変更しなくてはなりません(取締役会が無くなるので必然的に変更を要します)。
 以上をまとめますと次の通りとなります。

  • 取締役会設置会社の定めの廃止(登録免許税3万円)
  • 株式の譲渡制限に関する規定の変更(登録免許税3万円)
  • 取締役の退任(登録免許税1万円/資本金1億円超の会社は3万円)

 結果これらの登記に必要な登録免許税は合計驚きの7万円!となります。つまりQ2.「監査役を廃止できますか?」と同じ結果となります。この登録免許税額をご説明しますとやはりQ2の場合と同様、お悩みになる社長様もいらっしゃいます。しかし、私が経営者であったならどうかなと考えたとき、今一度だけ会社の実態に即した機動性の高い会社に改造し、旧商法に縛られていた無駄を一気に解消したほうが10年スパンで考えるなら間違いなくコストダウンを図れ、お得だとは思います。



Q4.相続登記って絶対しなくてはならないの?

A4.ケースバイケースです。揉めない場合はそのままでも特に問題ありません。

 無料登記相談に出ますとよく訊かれる質問です。
 基本的には不動産の所有者が亡くなった時点でなさった方が登記の手続費用も安いですし(一般に相続登記は後になればなるほど必要書類の収集が困難になったり関係者が増えたりするため手続費用が高くなります。また時間も余計にかかります。)、役所の固定資産の課税台帳も間違いなく変更されるので、後々ご自分のお子さん達が「お父さん(お母さん)の所有物件ていったいどれなの?」とか「えっ!?、叔父さんや従兄弟からも印鑑証明もらわないと駄目なの?」とかいった困った事態に陥る可能性は断然減ります。また遺産分割により単独で不動産を相続なさった場合、登記しておかないと、不動産全部の所有権を第三者に対抗できませんので、基本的には早めになさったほうが宜しいかと思います。
 しかし、登記するとなると、仮にご自分でやるにしても戸籍だって1通750円と馬鹿になりませんし、登録免許税も必要ですから、そこそこお金がかかります。急に「やったほうがいい!」とか言われても困ります。ですから私が「絶対やらなくてはいけないの?」と訊かれた場合は、先に書きましたとおり「やっておいたほうが良いに違いはないですが…」と前置きの後「相続税がかからない方で、揉めないケースであれば必要になったときにやっても(=そのままにしておいても)大丈夫です。」と司法書士会から叱られそうなお返事をしています。
 逆にやっておいたほうがいいなぁという例を挙げます。



  • お子さんがいらっしゃらないAさんBさんご夫婦で、自宅がAさん名義でありAさんが亡くなった場合
     この場合、自宅は、BさんとAさんのご両親が存命の場合はそのご両親(=Bさんにとっては義理の父母)とで共同相続することになります。また義理の父母が既に亡くなっている場合は、Aさんのご兄弟姉妹(=Bさんにとっては義理の兄弟姉妹)と一緒に共同相続することになります。つまり、今お住まいのBさんの自宅が居住者であるBさん以外の方にも一部所有権があるということになってしまいます。大変不安定な状況です。このようなケースは無理してでも早急に他の相続人の方にお願いして、Bさんだけの単有名義になさっておかれたほうが良いです。
     早い内にキチンとお願いして話をまとめてやっておかないと、一般に配偶者亡き後、配偶者の血族とはなかなか財産の話はしにくいものですし、時間がたてばたつほど一層話し辛くなるでしょう。また長年のそのままにしておいたため、その間にAさんの姉妹Dさんが5人のお子さんと旦那さんを残して先立ってしまわれたとすると、Dさん一人にお願いすれば済んだ話が、早くやっておかなかったばっかりにDさんの旦那さん+お子さん5人にお願いして回らなくてはならなくなります。世代が変わって状況が伝わりにくいと、ますます話がまとまりにくくなります。
     このような訳でお子さんのいないご夫婦の相続登記は早めにやっておかれることをお勧めします。
  • 亡くなった方(Aさん)の直筆の遺言が見つかった場合
     このような遺言(自筆証書遺言と言います。)が見つかった場合は、発見した相続人は遅滞なく家庭裁判所において「検認」という手続を受けなくてはなりません。これを怠りますと5万円以下の過料に処せられることになっています。
     また検認の手続が必要であることに加えて、Aさんがあえて生前に遺言を残した意味を考えますと、Aさん自身がご自分の相続は「すんなりいかないだろう」と予見していたか「こう配分したい」という確固たる意思があったのではないかと推測されます。
     このようなケースもやはり後々揉める可能性は高いと思われますので、早めに相続登記をなさったほうが無難でしょう。
  • 亡くなった方が離婚経験者であり前の配偶者との間に子供がいる、あるいはいるかもしれない場合
     申し上げるまでもなく、揉めそうなパターンです。話がまとまりそうなら早急に相続登記をなさる事をお勧めします。
     また、申し上げにくいのですが、あなたの配偶者や父母に離婚暦がありその方が亡くなった場合は、先ず最初に、亡くなった方の一生分の除籍謄本、原戸籍謄本、最後の除籍謄本を収集し、自分達の知らない相続人がいないことを確認して下さい。あなたの知らない配偶者の子や会ったことがない兄弟姉妹が発見されることがたまにあります。このようなケースもやはり心してかからなくては難しいので、早めに行動し、話がまとまるようなら早急に相続登記をなさる事をお勧めします。
  • 共同相続人の中に資金ぐりが悪く破産しそうな状態の人がいるとき
     例えばAが死亡し、相続人は妻Bと長男Cと次男Dがおり、長男Cは家を継ぎA、Bを支えて同居しており、次男Dは別居し事業を興したが調子が悪く倒産しそう…といったケースです。この場合、相続手続をせずにほうっておきますとAの財産の4分の1はDが相続したことになりますからDの債権者は亡Aの財産(預貯金、不動産など)の4分の1を差し押さえることが出来るのです。妻Bと長男Cが住むA名義の土地、建物もDの持分につき差し押さえの対象となります。このようなケースで、Dが実家を守りたいと考えるならAが亡くなってから3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続きをすることができます。この手続が受理されますとDは最初からAの相続人ではなかった事になり、亡Aの財産が差し押さえられることはなくなります。 このようなケースも、Dの相続放棄が受理され次第、早急に妻Bと長男Cとで相談し相続登記を完了してしまったほうが安心でしょう。